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2024/11/23 03:38 |
オフライン情報

新刊:

・『めんない千鳥』
(A5/本文36P/表紙FC)

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『Red Hot』いか様・『YES YOU CHANGE THE  WORLD!』真宏れい様・『Bitter Honey』シロ様との4人誌。
テーマは盲目×榎益。

『アメ小屋』アメコ様をゲストにお招きしております。

※入稿時にアメコ様の原稿にグレースケール処理抜けが発生しております。

完成稿は『アメ小屋』様に展示されておりますので、恐れ入りますがそちらを合わせてご覧ください。

・『冗談から釜』
(A5/本文28P/コピー)

2010-2011エイプリルフール企画お題を同人誌にしました。
消化済みお題再録+未消化お題の書き下ろしです。
榎益榎・鳥益・青益・司益とカップリングが入り乱れてえらいことになっておりますのでご注意ください。




既刊:

・『榎木津×益田プチアンソロジー E=mc2』
(A5/本文68P+フルカラー口絵/表紙FC/オフセット印刷)



榎木津と益田の短いお話を集めたアンソロジー。
詳しくは告知サイトをご参照ください!


・『Masuda!』(文庫版/本文212P/フルカラーカバー/オンデマンド印刷)

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当ブログの過去作品抄録集2。
内容には若干の修正と書き下ろしを含みます。

収録題↓
・独特すぎるあいつ(挿絵:天次郎様)
・ダスク
・下手の考え休むに似たる/リクエスト企画より抜粋(挿絵:真宏れい様)
・海から来たシンデレラ(挿絵:いか様)
・10-01・イ(挿絵:真宏れい様)
・七曜日(書き下ろし)

※今回は収録題の都合上、榎益榎・鳥益・青益が混在しております。ご了承ください。

・『四季折ジェンカ』(B5/72P/オンデマンド印刷)

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『Red Hot』いか様・『YES YOU CHANGE THE  WORLD!』真宏れい様・『Bitter Honey』シロ様との4人誌。
テーマは四季×榎益初キス。

『つまさきサーフ』菊川紅子様・『ニトロナイフ』ナカキ様をゲストにお招きしております。


・『今日からふたりで』(A5/44P/オンデマンド印刷)
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ひょんなことから益田の家に榎木津が転がり込んできて、済崩し的に居候されてしまう話。
二泊三日限定の同棲モノです。

『YES YOU CHANGE THE WORLD!』真宏れい様をゲストにお招きしております。


『下僕戦隊レインボー益田』(A5/本文60P/オンデマンド印刷/ホログラムPP使用)

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不思議で無い程度の科学力で生まれた7人の益田が
(主に上司の胸先三寸で)神保町界隈の夢と平和を守る戦隊ネタパロディ。

参加者様
・菊川紅子様


・『都電榎木津線の下り終電を見過ごす』(新書版/本文64P/フルカラーカバー)

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『Bitter Honey』シロ様との合同誌。
お題を交互に消化するリレー小説風の本になります。
(カバーイラスト:蜜様)



通販終了:
『Masuda?』(文庫版/本文200P/フルカラーカバー/オンデマンド印刷)

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新潮パロのふざけた表紙が目印です。


当ブログの過去作品抄録集。
内容には若干の修正と書き下ろしを含みます。

収録題↓
・主と従者
・『5感』5題(挿絵:シロ様)
・結婚5題
・はがゆい君たちへの7題(挿絵:いか様)
・はがゆい君たちへの7題2(挿絵:真宏れい様)
・音楽用語で5つのお題(書き下ろし)



ゲスト:

・『Big Wave Romance』
「750.」様発行の某サンライズ系ジャンルアンソロジーに3P参加させて頂きました。

・『やさしい人に、恋をした』
「これでええのんか?」様発行のフルボイスロマサガ2同人誌に7P参加させて頂きました。

・『Yeah!めっちゃ皇帝』
「これでええのんか?」様発行のフルボイスロマサガ2アンソロジーに参加させて頂きました。



通販:
以下のメールアドレスに、HNとご希望の本のタイトルを記載の上お送りください。
こちらから改めて通販要綱を返信させて頂きます。

daydream613☆hotmail.com
(☆←半角@)



サンプル(発行物より一部抜粋。随時追加)↓


―――暑い。もはや熱い。鉄筋の建物は確かに堅牢だが、熱の逃げ場が一切無いのが玉に瑕だ。雲ひとつ無い空から直に降り注いだ日光は灼熱ばかりをフロア内に残し、中に居る人間を疲弊させる。
四季の無い国からやって来た近代建築が避けられない宿命を背負いながらも、榎木津ビルヂングは快適な場所だった。但し其れは昨日までの話だ。窓に直接造りつけられたクーラーが冷風を吐き出していた時までの話とも云える。
全ての窓は開いていたが、少々の風すらも止んでしまった今日の場合は助けにもならなかった。只の鉄箱と化したクーラーも、どこか所在無げにぼんやりとしている。あまりの暑さに発生した陽炎の所為かも知れなかったが。
くたばりかけた益田の電話で呼び立てられた本島は、いつもの作業服姿で現れた。話を聞くや否や、社員二人が触った事も無い鉄の扉をぱくりと開けて、顔を突っ込むようにして作業している。内部の回路を弄ったり、スイッチらしきものを二、三度パチパチと触ったかと思うと、脚立から降りた。顔には玉の汗が浮かんでいる。

「どうですか本島さん」
「直せない事は無いと思いますが、何にしても道具が足りない。ちょっと戻って工具取って来ないと」
「じゃあまだ直らないって事ですねェ…」

がくんとソファで項垂れる益田よりは幾分かしゃんとした様子の寅吉が、本島の労を労って冷たい茶を差し出す。本島は其れを一息に飲み干して、事務所を出て行った。後にはうだるような暑さと、やかましいばかりの蝉の声ばかりが残る。

「あ、あつい…」

いつもは首まで止めているシャツのボタンを幾つも開けた益田が呟いた。かなぐり捨てたタイがソファの背に引っ掛かって、ぶら下がっている。


(『Masuda?』収録『音楽用語で5つのお題―dolce』)
 


からんからん。
薔薇十字探偵社の扉にぶら下げられた金の鐘は、時に静かに時に騒がしく、客の訪れを告げる。
割烹着が板についた探偵秘書に。
地味な色合いの服装に映える赤いチーフを首に巻いた探偵助手に。
同時に振り向いた二つの視線を浴びて、ノブを握ったままの青年はぱぁと笑顔を浮かべた。快活な笑顔は、観る者全てに人懐っこい印象を与える。そして正しくその通りのよく通る声で、「どうも」と気安い挨拶を口にした。

「やぁ鳥口君」
「どうもどうも益田君に和寅さん、どうですか最近は」
「まぁぼちぼちって感じですかねェ。おかげさまで何とかやってます」  

鳥口はひらりとソファに腰掛け、益田もまた簡単に彼を迎え入れた。鳥口はそれが許されるほど頻繁に、この事務所に足を踏み入れている人物の一人だ。  
彼は差し出された湯飲みを受け取ると、軽く頭を下げてから当たり前のように唇を付けた。

「ああ有難い。原稿取りの後の一服はまた格別だなぁ」
「――それで鳥口君、今日は何の用事?」
「そうそう、原稿取りで思い出した」  

鳥口がぽんと膝を打つ。

「今日関口先生の所行ったんですよ」

益田もつられて身を乗り出す。
卓上で鼻を付き合わせる両者の間で、チーフの端がゆらりと揺れる。

「先生というと、関口さんですか」
「いかにも蛸にも、そうです。まぁ会えなかったんですけど」
「会えなかったって――」
「鍵は開いてましたが、先生もお留守。奥さんもお留守。卓上には書きかけの原稿用紙がそのまま。直ぐ帰ってくるかなと思って昼寝までさせて頂いたんですが、結局日が暮れても蜜柑の礫で」  

「梨」の礫だろう、と突っ込む暇も無い程の勢いで、身振り手振りで捲し立てる。鳥口がこんな仕種をする時には、何かがある――益田は寅吉と目配せを交わし合った。

「それで――鳥口君は何を」
「僕が此処に来る時は決まってるじゃないすか、喉が渇いた時か、小腹が空いた時か、でなきゃあ――」

依頼です。  
噛み砕くように吐き出された一音一音が、薔薇十字探偵社のフロア内に響き渡った。

(下僕戦隊レインボー益田冒頭)

 

 
半分程昇って二階が見えたところで、益田は不意に薄い眉を顰めた。浮かんだ疑念は、一段踏みしめる毎に確信へと変わっていく。廊下に誰か座り込んでいて、其れはどうやら男のようで、しかもどうも自分の部屋の前で、其の姿は―――
こつん、と響いた足音に、其の男は顔を上げた。見慣れた景色の中にある栗色の髪もやはり見慣れている筈なのだが、不思議と其処だけぽっかりと浮かんで見えた。普段なら直視すべくも無い鳶色の大きな瞳の透明度ばかりが目に付いて、益田は見れば解る事を改めて口に出してしまった。

「――榎木津、さん?」
「そうだ、僕だ」

子どものように答えると、榎木津は床を思い切り蹴って立ち上がった。バネ仕掛けの人形がこんな動きをする。すくりと立つ榎木津はいつもの榎木津で、益田は思わずたじろいでしまう。今此処に座り込んでいた人物が立ち上がっただけだと頭では解っているのだが、例えば榎木津が今まさに天空から飛び降りてきたと思う方がまだ納得出来る。

「榎木津さん、何でまた。何で此処に」
「鍵が掛かって入れなかったからに決まってる。鍵が開いてれば入って寝るなり飯を食うなりしていた」
「イヤそう云う事じゃなくてですね…」

榎木津は鉄の手摺りに凭れ掛かって、退屈そうに空を見上げている。もはや益田の話を聞く気は無さそうだ。益田は早々に諦めて榎木津の横顔に向かって話しかけた。
 

(今日からふたりで)
 


書類の上を万年筆が走る音が、ぴたりと止んだ。
我関せずとばかりに時を刻み続ける掛け時計を見やり、それから浴室の方を見た。

「…榎木津さん、風呂長くない…?」

寅吉のぼやきや榎木津の揶揄を惣菜の一部とした夕食の相伴に預かってから、榎木津が鼻歌交じりに浴室へ消えるのを見た。手にした手拭をカウボーイよろしく振り回して上機嫌だったのを覚えている。 食器の片づけを少し手伝い、空いた机に書類を広げ、仕事の続きを始める。先生を宜しくと云い残し、片づけを終えた寅吉は自室に引っ込んだ。終えた依頼の報告書を書き上げ、これから控えている依頼の整理をして、ふっと顔を上げたのが今だ。
幾ら集中していたとは云え、榎木津の私室の扉は真横なのだ。流石に気がつくだろう。長風呂にも、限度と云うものがある。 
益田は腰を上げた。
洗面台の周りには榎木津の衣服が足跡のように散らばっている。寅吉が用意したであろう大判のタオルだけが、替えの下着と共にきちんと畳んで置かれていた。確信する。榎木津は風呂を出ていない。


 
(『Masuda!』収録『七曜日―水面の境界』)
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2009/07/16 23:53 | Comments(0) | TrackBack() | オフライン

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